眼球の中にあってレンズの働きをする水晶体が白く濁ってくる病気で、白く濁ると視力が低下し、物がかすんではっきり見えなくなったり、明るい所に出ると物が見えにくくなったりします。
年齢とともに水晶体は黄色みを帯び、さらに混濁してやがて白内障となります。多くの医院では、日帰りでの手術も行っており、手術内容は濁った水晶体を取り出し、眼内レンズを入れるという方法です。
眼内レンズはいったん眼の中に入れてしまえば手入れの必要はなくレンズ素材は40~50年の耐久性があります。 当院では折りたためるレンズの特長を最大限活かして、約3mmの切開口から専用のインジェクターによる安全で清潔、簡単、 確実な挿入システムを導入しています。
コンピュータ制御機能が搭載された装置で安全に短時間で手術が終了します。
平成29年9月、精度の高い乱視矯正を目指して
白内障手術にベリオン・イメージガイドシステムを導入
■メジャメント・モジュール(術前検査)
術前に患者様の個々の眼の特徴である角膜屈折力、角膜形状を計測します。
■ビジョン・プランナー(検査データの解析)
術前に計測された数値をデータ化し、眼内レンズの度数、乱視矯正レンズの円柱度数、乱視矯正効果の高い切開位置などをプランニングします。
白内障手術では眼内レンズを挿入するために、角膜切開(約3mm)を施行します。当院では乱視矯正に効果が有ると判断された場合は、角膜乱視を矯正する方向(角度)から切開(強主経線切開)しています。
座位(検査時)から仰臥位(手術時)に体位変換することにより、人の目は回旋することがあります。回旋とは、目を正面から見たときに時計回り、または反時計回りに回転することです。ベリオン・イメージガイドシステムは角膜輪部(茶目と白目の境)、及び強膜(白目)の血管形状を認識することにより、この回転の影響を受けずに、正確な位置での切開を可能にする補助システムです。このシステムを用いることによって、強主経線切開の精度が向上し、相対して乱視矯正の効果も向上しました。
平成22年6月より、乱視矯正眼内レンズを導入しています。乱視矯正眼内レンズの矯正効果を最大限に引き出すには乱視矯正眼内レンズを正しい位置で固定することがポイントです。
■デジタルマーカーマイクロスコープ(術中)
手術では仰臥位による眼球回旋を補正し、正しくトラッキングします。術前にプランニングされた切開位置、眼内レンズの固定位置、乱視矯正レンズの軸を映像化して術者の顕微鏡下に精密な術中ガイドを表示します。